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人生会議とは


なぜ人生会議が必要か?
人生会議は、自己の意思を尊重し、家族や医療者との関係を深めるだけでなく、質の高い医療やケアを受けるための重要なステップとなります。それにより、未来の不確実性にもしっかりと備えることができるのです。
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自身の考えの明確化
人生会議を通して自身の意向や希望、価値観を深く探求し、それを他者に伝えることで、自らの考えや意志が明確化されます。
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自分らしい医療選択の実現
明確な意志のもとで医療の選択ができるため、自分らしい生き方や死に方を追求することができます。
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相互理解の促進
家族や医療者とのコミュニケーションを通じて、互いの考えや意向を共有し、深い理解を得ることができます。
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対立の回避
意向や希望を明確に共有しておくことで、将来的な家族間や医療者との意思決定の際の対立や意見の衝突を最小限に抑えることができます。
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適切な医療選択のサポート
自身の意向を明確にしておくことで、医療者はその意向に基づいた適切な医療の提供ができます。
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安心感の提供
自分の意向や希望が医療者やケア提供者によって理解されていることを実感することで、治療やケアを受ける過程での安心感が得られます。
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これからの予期せぬ状況を対応
突然の病気や事故など、将来の不確実性に対して、あらかじめ意向や希望を明確にしておくことで、迅速かつ適切な対応が可能となります。
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後悔の回避
自分の意向に基づいた医療選択が行われることで、後悔や疑問を最小限に抑えることができます。

人生会議を行った方の声
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認知症が軽症のうちに祖母と人生会議を行ったAさん 以前家族で行った人生会議で、祖母は「もし自分が意思表示できなくなった場合、積極的な治療は望まない」という意向を家族に伝えていました。また、できるだけ自宅で過ごすことを望んでいました。
認知症の進行によって少しずつ食事量が減り、医師から胃瘻について相談された時、家族は祖母の意向に沿った判断をして、胃瘻などの人工栄養を行わず、在宅医療を受けることにしました。祖母は家族に囲まれながら、最期の時間を自宅で過ごすことができました。家族全員で祖母の意志を尊重し、祖母の望む最期を実現できて本当に良かったと思います。
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がんと診断された父と人生会議を行ったBさん 父は肺がんを患っており、健康状態に不安を感じていました。その頃、父と「人生会議」について話し合う機会を持ちました。 父は病気が進行した場合でも積極的な治療よりも自分の尊厳を守ることを優先したいと話しました。また、自然に囲まれた環境で穏やかに過ごしたいという願いも明らかになりました。
数ヶ月後、父の病状が急速に悪化しましたが、私たちは父の意向を正確に理解していたため、すぐに行動を起こし、主治医の理解と協力のもと積極的な医療措置を取らず、自宅でのケアを選択しました。最終的に、父は自宅の庭で孫たちと過ごしながら、静かに人生の最期を迎えました。人生会議により、彼の望む生活と尊厳を守ることができたのです。
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心不全の妻と人生会議を行ったCさん 妻は慢性心不全を抱えながらも、日々の生活を楽しんでいました。医師からの提案で人生会議について話し合ったところ、妻は特定の医療処置は受けたくないという明確な意向を持ち、特に侵襲性の高い手術や人工呼吸器の使用は避けたいと考えていることが分かりました。
妻が急に体調を崩し、医師から成功率は低いが緊急手術が必要と言われた際、事前に話し合っていた人生会議に基づき手術しないと決断しました。幸い治療によって一時的に改善し、数ヶ月間家族と共に穏やかな時間を過ごした後に妻は亡くなりましたが、手術を受けなかった後悔は全くなく、自分の意思を尊重してくれた家族と医療スタッフに深い感謝を表していました。妻の意向に沿った決断ができたことを大変誇りに思っています。
人生会議をはじめよう!
人生会議を始めるためには、自らの意識や認識の変革、適切な情報の収集、段階的な取り組み、そして専門家のサポートが重要となります。以下の参考資料をご覧いただき、お気軽にひかりクリニックにご相談ください。
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人生会議(ACP)普及・啓発リーフレット
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自治体等における普及啓発事例
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人生会議学習サイト
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厚生労働省「人生会議してみませんか」

適切な意思決定に関する指針
ひかりクリニックは、患者様が適切な意思決定をすることができるように、以下の指針を定めます。
- 医師等の医療従事者から、現状、医療行為等の選択肢、今後の予測などの適切な情報提供を行います。
- 医療・ケアを受ける本人およびそれを支える家族が、多専門職種の医療・介護従事者から構成される医療・ケアチームと十分話し合いを行えるようにします。
- 本人の意思を最優先とし、家族や医療・ケアチームが納得できる意思決定となることを目標とします。
- 意思は変化しうるものであることを踏まえ、本人や家族との話し合いが繰り返し行われるようにします。
- 話し合いの内容は、都度診療録に記録し、医療・ケアチームへと情報提供を行います。
- 人生の最終段階における医療・ケアの開始・不開始、変更、中止等は、医療・ケアチームによって、医学的妥当性と適切性を基に慎重に判断します。
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本人の意思確認ができない場合は、以下の手順によって、本人にとっての最善の方針を決定します。
① 家族等が本人の意思を推定できる場合は、その推定意思を尊重します。
② 家族等が本人の意思を推定できない場合は、本人に代わる者として家族等と十分に話し合います。
③ 家族等がいない場合および家族等が判断を医療・ケアチームに委ねる場合は、医療・ケアチームの中で十分に話し合います。